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黄泉の世界で生まれ育ってきた。

主な仕事は無宗教だった人間の分類と転生。

何も感じない、黄泉の歯車として動く。

ただただ仕分けをする。ごく稀に戦、流行病、飢饉で多くの人がこちら側へ来た時押し寄せてきた魂を頭数が足りない時に誘導したり、抵抗する魂を刈り取り籠に入れこちら側へ連れてくる。

ごく稀に上司である地獄様からの勅命を受けて動くこともある。そういった場合は何か特別な魂を「管理側」へ引きこみたいというのがほとんどだった。

感情を持たずに生まれてきた自分にしかできない役割。ただそうあるべきだとして存在する。

仕事に何も不満はない。不安もない。

冥もいる。おかげで仕事が回らないことだってない。

ただなぜか、動かないはずの心が不安で揺れた。