寝れない話(ファウアス)
アストラ、魔法舎にきてからもファウストと寝てるものの強い炎を見て火刑を思い出して寝付けない日がある話。
今日、任務先で火事になっている家があってそこから何とかして人を救い出した。
それが理由でファウストの火刑がずっと脳裏にちらついている。
あの時の恐怖はずっと脳裏にこびりついていてことあるごとにちらついてくる。今日はそれが一段と酷かった。
夜になってファウストと一緒に横になるけれど、ファウストの寝顔を見ても落ち着けなくて、それどころかぴくりとも動かないファウストがまるで死んでいるようで、恐怖で鼓動が早くなる。
こんなんじゃファウストを起こしてしまう。それはよく寝ているファウストに申し訳ないしこっそり抜け出してキッチンでホットミルクでも作ろうか、いや、こういうときはお酒かな。なんて考えてキッチンに向かって歩いて行く。
ファウストが目を覚ましているとも知らずに。
ホットミルクにはちみつ入れて生姜を浮かべる。眠れない夜にはこれをファウストがよくつくってくれた。STMJ。こんなおしゃれな飲み物ファウストはどこで知ったんだろう。なんにせよ私にためだけに作ってくれるのが嬉しくてよくおねだりをしていた。ファウストみたいな味にはならなくて今度配合教えてもらおうか。なんて考えながらゆっくりと飲む。
そんなことを考えていたら後ろから嗅ぎ慣れた匂いとともに抱きしめられる。
「ファウスト?」
「ああ。」
「起こしちゃったかな。ごめんね」
「いやいい。眠れなかったんだろう。今日の任務で火事にあったと聞いた。」
「ああ、全部お見通しなんだ」
「当たり前だろ。400年も一緒にいるんだ。それに恋人を舐めるんじゃない」
「それもそうだね」
「僕はここにいる」
「うん」
「生きてる」
「うん」
「アストラが助けてくれた」
「うん」
「ずっとそばにいる」
「ありがとう」
「安心するまで何度だっていう」
「うん、うん」
思わず涙が溢れ出す。ファウストは泣き止むまで抱きしめてくれていた。
ーーー
2人分のSTMJ を持ち部屋に戻ってベットに腰掛けて2人で飲む。
「寂しかった」
「?なにが?」
「抱きしめてる感覚がなくなって、寂しくて起きた。」
「!!」
「だから、これから起きるなら僕も起こして」
「でも、よく寝てるのに」
「いなくなったら起きるから関係ない」
「そっか?」
「それに」
「?」
「STMJ、僕じゃなきゃつくれない」
「!ふふっ、確かに」
「だから、起こして。好きな子が不安なのに僕だけ寝てたくない」
「顔真っ赤」
「言わなくていい。わかてる。」
「かわ、いい」
「僕は可愛くな、…ねむくなってきた?」
「うん、安心して、寝れそう」
「それはよかった。いい夢を。アストラ。」